子供のSNS禁止、除外巡り論争=「重要な教材」「不公平」―豪 2025年06月07日 05時43分

【シドニー時事】オーストラリア政府が年内に施行する子供のSNS利用禁止措置で、一部のサービスを適用除外とする方針を巡り論争が起きている。政府は除外対象のユーチューブなどを「重要な教材」と位置付けるが、フェイスブックやTikTok(ティックトック)など類似の機能を持つSNSの運営企業は「不公平だ」と猛反発している。
豪州は昨年11月、16歳未満のSNS利用を禁止する法律を制定。子供や保護者への罰則はないが、違反したSNS運営企業に罰金を科すと定めている。
今年12月の施行に向け、政府は業界と調整しながら運用規則を策定中。ユーチューブやグーグル・クラスルームなどは「子供、保護者、学校から頼りにされている教育情報源だ」として、禁止対象から除外する予定だ。
これに対し、除外が認められない競合他社は政府への意見書で、公平な運用を要求。フェイスブックやインスタグラムを運営するメタは「(利用者の関心に沿うコンテンツへ自動的に誘導する)アルゴリズムを危険視しながら、それを使うユーチューブを除外するのは矛盾している」と指摘した。
ティックトックの豪州法人も、意見書で「ソフトドリンクを禁止すると言ってコカ・コーラだけ認めるようなものだ」と、一部のSNSだけ適用を除外することを批判。「魚釣りをする10代の子供は、潮の流れや道具、魚種を動画で学んでいる」と説明する新聞広告を出し、自社のサービスも「教材」だと訴えている。