留学生入国停止、一時差し止め=ハーバード大が申し立て―米連邦地裁 2025年06月06日 08時13分

【ニューヨーク時事】米東部マサチューセッツ州の連邦地裁は5日、名門私大ハーバード大の外国人留学生の入国を停止するトランプ大統領の布告を一時的に差し止める決定を下した。ハーバード大が同日、「憲法上の学問の自由を侵害している」として、布告の即時差し止めと取り消しを地裁に申し立てていた。
地裁は同大の訴えを認め、16日に差し止め命令の延長可否を話し合う審理を開くと決めた。それまでの間、布告の効力は無効となり、留学生らの入国が可能となった。
トランプ氏は4日に署名した布告で、ハーバード大が留学生に関する十分な情報を提供せず、「米国の安全保障を危険にさらしている」と主張。同大で留学や研究を予定する外国人の入国を6カ月間認めず、在籍者のビザ(査証)取り消しも検討すると表明。日本人留学生らにも影響が及ぶ恐れがあった。
ハーバード大のガーバー学長は5日の申し立て後、声明を出し「世界中から才能のある人々が集まる恩恵は唯一無二であり、かけがえのないものだ」と指摘。政権の対応は違法だと非難した上で、外国人留学生や研究者の「利益を守り続ける」と述べ、法廷で断固として争っていく姿勢を示した。