防衛費増を評価、良好な関係演出=米独首脳、ウクライナでは温度差 2025年06月06日 07時24分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は5日、ドイツのメルツ首相とホワイトハウスで会談した。トランプ氏はドイツの防衛費増額を「前向きなことだ」と評価し、メルツ氏も緊密な協力に意欲を表明。両首脳は関係を強化する方針で一致した。
5月のメルツ新政権発足後、米独首脳の対面会談は初めてで、米側はメルツ氏を歓迎する姿勢を演出した。トランプ氏は第1次政権時代、メルケル首相(当時)と反りが合わず、米独関係が極度に冷え込んだ経緯がある。
トランプ氏は会談冒頭、「ドイツと素晴らしい関係を築く」と強調。メルツ氏も1982年にホワイトハウスを訪問したことに触れ、「再訪できてうれしい」と応じた。メルツ氏はまた、額縁に入れた独出身のトランプ氏の祖父の出生証明書を見せ、「米独の緊密な協力の良い土台になる」と語った。
ただ、ロシアの侵攻が続くウクライナ情勢を巡っては、メルツ氏が「ロシアへのさらなる圧力を求めている」と対ロ追加制裁を主張したのに対し、トランプ氏は「戦いが終わらなければ強硬な姿勢で臨む」と述べるにとどめ、言質を与えなかった。米議会が用意している対ロ制裁法案についても「私の決断待ちだ」と話し、メルツ氏との微妙な温度差が浮き彫りになった。