「貿易体制への挑戦に懸念」=米関税踏まえ声明―APEC貿易相会合 2025年05月16日 20時01分

【済州時事】日米中など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合が16日、韓国南部の済州島で閉幕した。トランプ米政権の高関税政策が議論され、「国際貿易体制が直面する根本的挑戦を懸念する」との共同声明を全会一致で採択した。
声明は、貿易問題解決の法的基盤を提供する世界貿易機関(WTO)の重要性や機能強化に向けた改革の必要性を指摘。貿易実務の円滑化のための人工知能(AI)活用拡大とAI技術の情報交換促進も盛り込んだ。
議長国、韓国の鄭仁教産業通商資源省通商交渉本部長は記者会見で「(米中間で)国際的な貿易秩序への見方に立場の違いがあったが、お互いに譲歩して合意文書を出すことができた」と説明した。中国が主張する「保護主義への反対」といった表現は米国の反対で入らなかったという。
会合は2日間の日程で行われ、グリア米通商代表部(USTR)代表や中国の李成鋼国際貿易交渉代表、日本の大串正樹経済産業副大臣と宮路拓馬外務副大臣らが出席した。
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