月の氷、予想より広く分布か=探査機データが示唆―インド研究チーム 2025年03月07日 18時11分

インドの月探査機「チャンドラヤーン3号」の着陸船から月面に向かう探査車=2023年8月、インド宇宙研究機構が公開した映像より(AFP時事)
インドの月探査機「チャンドラヤーン3号」の着陸船から月面に向かう探査車=2023年8月、インド宇宙研究機構が公開した映像より(AFP時事)

 【ニューデリー時事】インドの研究チームは、月の極地に存在するとされる氷が、従来の予想より広く分布している可能性があるとの研究結果を発表した。氷からの水資源採取や、将来の月面居住に役立つことが期待されるという。論文は6日、英科学誌ネイチャー系のサイトに掲載された。
 インドは2023年8月、無人探査機「チャンドラヤーン3号」で史上初となる月の南極付近への着陸に成功。研究チームは探査機が複数地点で測定した表面や地中約10センチの温度データを分析した。
 その結果、測定地点が1メートルしか離れていない場合でも、日光を受ける勾配の違いで温度が急激に下がり、浅い地下で氷が形成されやすい環境になることが分かった。論文では、極地だけでなく特定の高緯度地域も将来の水資源活用に向けた「探査の候補地となり得る」と指摘している。このような場所は極地より探査の技術的難易度が低いという。
 米航空宇宙局(NASA)は18年、極地周辺に水が氷の状態で存在することを示す直接的な証拠を得たと発表している。 

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