米政府機関に閉鎖リスク=つなぎ予算、14日失効 2025年03月07日 16時49分

 【ワシントン時事】米国で一部政府機関の閉鎖リスクが高まっている。現行つなぎ予算の期限を14日に控える中、与党共和党は2025会計年度(24年10月~25年9月)末までの新たなつなぎ予算案の提出を計画。ただ、党内の反発や、野党民主党の出方が読み切れず、議会通過できるかは不透明な情勢だ。
 25年度半ばになっても本予算の審議は進んでいないため、ジョンソン下院議長(共和党)は近く、年度末を期限とするつなぎ予算案を公表する方針。ただ、バイデン前政権下で成立した前年度予算の規模を今年度も維持する内容に、共和党内では否定的な見方が根強い。
 同党の長老、マコネル上院議員は米紙への寄稿で、物価上昇にもかかわらず、前年度と同水準の国防費で「米軍に今後の脅威に備えさせるのは、大惨事の原因になる」と警告した。
 政府閉鎖となれば、発足したばかりのトランプ政権には大きな打撃だ。トランプ大統領は5日、歳出削減を主張する共和党下院の保守強硬派と面会。SNSで「偉大な共和党下院と、9月までの政府資金を手当てするつなぎ予算に取り組んでいる。やり遂げよう」と呼び掛けた。同党は下院で僅差の過半数を占めるにすぎない。
 つなぎ予算案の議会通過に向け、上院では議事妨害を回避するため、民主党議員の賛成も必要となる。ただ、トランプ政権が強引に進める政府職員の大量削減に、民主党は「金持ち減税を実現するためだ」(上院トップのシューマー院内総務)と反発。協力が引き出せるか微妙な状況だ。 

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