尹大統領の釈放決定=拘束手続きの違法性認定―韓国地裁 2025年03月07日 14時07分

韓国の尹錫悦大統領=2月13日、ソウル(EPA時事)
韓国の尹錫悦大統領=2月13日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国のソウル中央地裁は7日、内乱容疑で逮捕され、同罪で起訴された尹錫悦大統領の釈放を決めた。尹氏側が拘束は違法だとして取り消しを申請していた。ただ、検察は7日以内に即時抗告できる。即時抗告すれば直ちに釈放する必要はなく、対応を検討している。
 拘束期間内に起訴すれば拘束が継続されるが、尹氏側は検察が起訴した時点で期間が満了していたとして2月4日に取り消しを申請。地裁は「期間が満了した時点で起訴されたとみられる」と違法性を認定した。
 尹氏側は1月15日に拘束された直後にも同地裁に取り消しを求めたが棄却されている。検察は裁判所で争った時間は拘束期間の算定に含まれず、期間内に起訴したと主張していたが、地裁はこれを退けた。
 また地裁は、尹氏を逮捕した高官犯罪捜査庁(高捜庁)について、設置法上、内乱罪の捜査権限があるか疑問が解消されていないと指摘した。尹氏の今後の刑事裁判に影響する可能性がある。高捜庁による捜査の違法性を訴えてきた弁護団は声明で「この国に法治主義が生きていることが確認された」と歓迎した。
 尹氏は刑事裁判とは別に憲法裁判所の弾劾審判も抱え、来週にも尹氏の罷免の可否が決まるとみられている。弾劾訴追を却下、棄却するよう求めている与党「国民の力」の権性東院内代表は記者会見で「今回の判断が弾劾審判にも十分に反映されると予想する」と期待を示した。 

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7日、韓国の尹錫悦大統領の釈放決定の報に接し、ソウルの大統領公邸近くに集まった支持者ら
7日、韓国の尹錫悦大統領の釈放決定の報に接し、ソウルの大統領公邸近くに集まった支持者ら

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