〔国際女性デー50年〕世界の女性議員27%=停滞傾向、日本はG7最低―列国議会同盟 2025年03月07日 09時15分

 【ベルリン時事】各国の議会で組織する列国議会同盟(IPU、本部ジュネーブ)は6日、女性の議会進出に関する最新の報告書を公表した。国会議員に占める女性比率の世界平均は2024年12月時点で27.2%にとどまり、10月に総選挙が行われた日本の衆院は15.7%と先進7カ国(G7)で最下位だった。IPUは「男女平等は依然として遠い夢だ」と指摘した。
 世界平均は1995年の11.3%から30年間で15.9ポイント上昇した。しかし、ここ数年は停滞傾向にあり、24年に選挙が行われた73議会では、改選前からの伸びが1.4ポイントと小幅だった。
 最も女性の割合が多い各国議会(下院または一院制)はルワンダの63.8%で、キューバ(55.7%)、ニカラグア(55.0%)と続いた。5割以上を達成したのは6カ国で、一定の比率を女性に割り振る「クオータ制」が導入されているケースが目立った。
 日本は95年との比較が可能な167カ国の中で130位。過去30年の伸び幅を比べると、13.0ポイントで103位だった。
 IPUのマーティン・チュンゴン事務局長は「ガラスの天井にひびは入ったが、打ち破られるにはほど遠い。一部の国では女性の権利に反発する動きがあり、極めて憂慮すべきことだ」と述べた。
 報告書は、ジェンダー平等に向けた取り組みの指針となる「北京宣言」が採択された95年の第4回世界女性会議から30年の節目に合わせて公表された。世界女性会議は、国連が3月8日を「国際女性デー」と定めた75年に第1回が開かれた。
 
 ◇国会議員に占める女性比率
▽上位3カ国
ルワンダ  63.8%
キューバ  55.7%
ニカラグア 55.0%
▽先進7カ国(G7)
英国    40.5%
フランス  36.2%
ドイツ   35.7%
イタリア  32.8%
カナダ   30.9%
米国    28.7%
日本    15.7%
(列国議会同盟=IPU=報告書より)。 

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