中国外相、日本に歴史「反省」要求=米国とは対話意欲も―台湾統一、改めて主張 2025年03月07日 13時07分

7日、北京で記者会見する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)
7日、北京で記者会見する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)

 【北京時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相は7日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて記者会見し、日中関係に関し「日本には台湾独立勢力と通じる者がいる」と主張した。さらに、戦争の「反省」を求めるなど強硬姿勢を示した。中国に厳しい態度を取るトランプ米政権に対しては、「抑圧には対抗措置を取る」と警告する一方、対話を進めることに意欲を見せた。
 日中関係が冷え込んでいた昨年の会見で、王氏は日本メディアの質問を受け付けない異例の対応を取った。今回は1社を指名したものの、台湾を巡る日本の方針に反発。「台湾有事は日本有事と吹聴することは、日本が自ら事を構えることだ」とけん制した。
 東京電力福島第1原発の処理水放出後から続く日本産水産物の禁輸解除の見通しや、中国・深セン市で起きた日本人男児刺殺事件などで高まっている日本企業の懸念については「責任ある態度で法にのっとり善処する」と短く回答。水面下で調整が続いている王氏の訪日については触れなかった。
 台湾を巡っては「台湾が一つの国家だったことはなく、今後も絶対に不可能だ」とも強調。「独立勢力」への敵意をあらわにし、「中国(と台湾)は最終的に統一される。必ず統一される」と語気を強めた。
 王氏は米国には対抗姿勢を示す半面、「米国とはパートナーになれる」と語った。トランプ政権は2月以降、中国が合成麻薬フェンタニルを米国に流入させているとして、段階的に20%の追加関税を賦課。中国も報復関税を発動した。両国間の際限のない貿易戦争への懸念が高まっており、中国側としても早期に打開策を見つけたいのが本音だとみられる。 

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7日、北京で記者会見に臨む中国の王毅共産党政治局員兼外相
7日、北京で記者会見に臨む中国の王毅共産党政治局員兼外相

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