対外援助の凍結解除へ暫定命令=初の介入、トランプ政権に打撃―米最高裁 2025年03月06日 05時07分

【ワシントン時事】米連邦最高裁は5日、諸外国への開発援助プログラムに対する資金凍結の継続を求めたトランプ政権の申し立てを棄却した。第2次政権発足後、最高裁が政策を阻止するのは初めて。対外援助凍結は歳出大幅削減に向けた主要施策の一つで、トランプ大統領には打撃となる。
訴訟は、国務省や国際開発局(USAID)と契約する非営利団体などが提起。約20億ドル(約3000億円)の援助凍結は予算編成権を持つ議会に対する大統領権限の逸脱だとして、差し止めを求めていた。一審のワシントン連邦地裁は原告の訴えを認め、拠出再開を命じたが、政権は再開期限の直前になって最高裁に地裁命令の取り消しを求める緊急申請を行った。
最高裁は凍結解除の時期には触れず、地裁に政府が従うべき義務を明示するよう求めた。判事9人のうち、リベラル派と穏健保守派の5人が政権の申請棄却に賛成し、保守派4人は反対した。