ハマス、第1段階最後の4遺体返還=イスラエルも囚人釈放―ガザ 2025年02月27日 15時06分

 【イスタンブール時事】イスラエル首相府は27日、パレスチナ自治区ガザの停戦合意に基づき、イスラム組織ハマスから人質4人の遺体が返還されたと発表した。停戦第1段階で引き渡しが決まっていた最後の4人で、イスラエル側もパレスチナ囚人約600人の釈放を始めた。イスラエル当局によれば、遺体はいずれも人質のものと確認された。
 27日に釈放された元囚人たちはバスでヨルダン川西岸やガザへ到着したほか、一部は隣国エジプトへ追放される。現地からの報道では、バスから降り立ったところを歓喜する大勢の住民に出迎えられ、ガザ帰還を喜んで地面に口づけをする元囚人の姿も見られた。
 ハマスはこれに先立ち、第1段階で定められた人質33人のうち、生存者25人を解放し、4遺体をイスラエルに返還。イスラエルも囚人約1100人を釈放していた。だが、ハマスは人質や遺体の返還に際し大げさな「式典」を開いてきたため、イスラエル側は23日、「人質への侮辱だ」と反発。予定していた囚人釈放を延期した。
 ハマスは25日、囚人釈放と遺体返還を同時に行うことで決着がついたと発表。今回の遺体返還はエジプトが仲介する形で、ガザと接するケレム・シャローム検問所で赤十字国際委員会(ICRC)からイスラエル軍に引き渡された。
 人質33人の帰還と囚人釈放により、第1段階は3月初旬を期限に終了する。中東メディアによると、恒久停戦を目指す第2段階への移行協議は3月2日にもエジプトで行われる見通し。ただ、停戦継続に前向きとされるハマスに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「いつでも戦闘再開の準備はできている」と圧力を強めており、停戦を維持できるかは不透明だ。 

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