イラン、高濃縮ウラン急増=米圧力外交に反発 2025年02月26日 23時31分

【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)は26日、加盟国に宛てた報告書で、核開発を進めるイランの濃縮度最大60%のウラン保有量が過去3カ月で1.5倍に増え、274.8キロとなったと明らかにした。ロイター通信が同日伝えた。兵器級の90%まで濃縮すれば、核爆弾6個を製造可能な量だ。
イランは経済制裁の解除を目指し対話路線を標ぼうしつつ、強気の姿勢を示して米欧から譲歩を引き出したい考えとみられる。一方、トランプ米政権は「最大限の圧力」を掲げ、緊張が高まっている。
報告書は「核保有国ではないイランが高濃縮ウランの生産と備蓄を大幅に増やしていることは深刻な懸案事項だ」と指摘。未申告の施設でウラン粒子が見つかった問題に対する説明や、拒否されたIAEAのベテラン核査察官の受け入れは進んでいないという。
米国は24日、イランの石油収入を断つために輸送部門に対する新たな制裁を発表。イランのアラグチ外相は25日、「最大限の圧力を受ける限り、米国との直接交渉はあり得ない」と反発した。