ウクライナ侵攻3年で特別会合=米の決議案、「侵略」消える―国連 2025年02月25日 00時19分

【ニューヨーク時事】国連総会(193カ国)は24日午前(日本時間25日未明)、ロシアのウクライナ侵攻3年に合わせて特別会合を開いた。欧州諸国が取りまとめた決議案に加え、対ロ融和姿勢を鮮明にするトランプ米政権が独自に提出した決議案も採決にかけられる見通しで、ウクライナ支援を巡る米欧の亀裂が浮き彫りとなっている。
欧州諸国の決議案は、ウクライナの主権や領土保全が尊重された形での「戦争の年内終結」の必要性を強調。ロシア軍の即時撤退を改めて求め、北朝鮮兵の戦闘参加への懸念も盛り込んだ。日本や韓国など50カ国以上が共同提案国となった。
一方、これまでロシア包囲網の構築を主導してきた米国は、トランプ大統領就任を受けて方針を転換。欧州案に賛同せず、独自案を出した。3節から成る短い決議案で、ウクライナ侵攻を「戦争」や「侵略」ではなく「紛争」と表現。ロシア非難を避け、「紛争の迅速な終結」を要求した。
ルビオ米国務長官は21日の声明で「全ての加盟国が支持することを強く求める」と訴えた。米国は同様の内容の決議案を安全保障理事会にも提出しており、安保理は24日午後(同25日午前)に会合を開いて採決する予定。
国連総会は侵攻から1年を迎えた2023年2月、ロシア軍撤退を求める決議を日米など141カ国の賛成多数で採択し、ロシアの国際的孤立を印象付けた。しかし昨年はパレスチナ自治区ガザ情勢を巡ってイスラエル擁護を続ける米国の求心力が低下し、賛成票が減るとの懸念から決議案提出が見送られていた。