5月半ばから上昇
野村証券シニア・ストラテジスト伊藤高志氏 2025年03月26日 15時21分
日本の株価水準は目先、底を打ちつつある。株安要因となっていた長期金利の上昇や円高進行には一服感が見られる。回復基調にある自動車などの工業生産が企業業績に反映されるのを確認しつつ、株価は5月中旬ごろから上昇するだろう。年末の日経平均株価は4万2000円と予想する。
企業の業績は堅調だ。昨年末までの決算を受け、アナリストは今年の業績見通しを上方修正している。業績は工業生産との連動性が高い。今年に入り自動車の生産が回復、電子部品も在庫調整が進み好転が期待できる。
トランプ関税でマイナスの影響が出るのは間違いない。ただ、米国は関税による収入がいずれ減税などで還元される可能性もあり、ポジティブな反応となるかもしれない。市場関係者の誰もが納得する形で影響を織り込むことは事実上不可能。市場はトランプ大統領の不規則発言に徐々に慣れ始め、最終的には決算を見て判断することになるだろう。