〔米株式〕ダウ、一時880ドル超安=中東緊迫でナスダックも下落(13日) 2025年06月14日 07時57分
【ニューヨーク時事】週末13日のニューヨーク株式市場は、イスラエルとイランの軍事的緊張が高まる中で投資家のリスク回避姿勢が一段と強まり、大幅反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比769.83ドル安の4万2197.79ドルで終了。下げ幅は一時880ドルを超えた。ハイテク株中心のナスダック総合指数は255.65ポイント安の1万9406.83で引けた。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1億5045万株増の11億5264万株。
イスラエル軍は現地時間の13日未明、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設や各地の軍事目標を空爆した。リスク回避の動きが鮮明となる中、この日の米国株は大幅安で始まった。
その後下げ幅を縮小していたものの、イスラエル軍が米国時間の午後に入り、イスラエルに向けてイランからミサイルが発射されたと発表。イラン国営メディアも、イスラエルに向けて数百発の弾道ミサイルを発射する反撃作戦が始まったと伝えた。軍事衝突が激化し、世界経済を揺さぶる恐れがあるとの懸念から売りが加速した。
日系証券筋は「米国の高関税政策の不透明感が根強く、企業業績の予想の下方修正も相次いだ中で、調整が入りやすい状況だ」と指摘した。
中東地域の石油輸送に支障が生じるリスクが意識される中、米市場の原油先物相場は12日夜の時間外取引で一時77.60ドル付近を付け、前日比で14%急騰した。また、安全資産とされる金の先物は13日上伸し、清算値ベースで約1カ月半ぶりに史上最高値を更新した。
この日は幅広い銘柄が売られ、エヌビディアは2.1%安、ナイキは3.6%安、ボーイングは1.7%安となった。ビザは5%近く下落した。一方で原油高を受けてエネルギー関連銘柄は上昇。シェブロンは0.7%高となった。