日鉄、USスチール買収へ=米と安保協定、「黄金株」発行―トランプ大統領が承認 2025年06月14日 07時26分

米鉄鋼大手USスチールの工場がある東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊で壇上に立つトランプ大統領(右)=5月30日(AFP時事)
米鉄鋼大手USスチールの工場がある東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊で壇上に立つトランプ大統領(右)=5月30日(AFP時事)

 【ワシントン時事】日本製鉄は14日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、トランプ米大統領が日鉄に対し、米政府と国家安全保障協定の締結を条件に両社の「歴史的パートナーシップ(提携)」を承認したと発表した。日鉄はUSスチールの普通株100%を取得し、完全買収する。米政権の反対で難航が続いてきた買収計画が成立に向かう見通しとなった。
 買収計画ではバイデン前大統領が今年1月、原則30日以内に「完全かつ永久に放棄するために必要な全ての措置」を講じるよう命令。買収計画の停止が確定する期限が18日に迫る中、トランプ氏は13日(日本時間14日)、この文言の削除を命じた大統領令に署名した。
 国家安保協定には、米政府が懸案としてきた安保上のリスクを払拭するため、経営の重要事項に拒否権を与える「黄金株」を米政府に発行することを明記。2028年までに約110億ドル(約1兆6000億円)の新規投資を行うことも盛り込んだ。 

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