〔NY外為〕円、143円台後半(21日) 2025年05月22日 06時37分
【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク外国為替市場では、米財政の先行きに警戒感が強まる中で円買い・ドル売りの流れが強まり、円相場は1ドル=143円台後半に上昇した。午後5時現在は143円63~73銭と、前日同時刻(144円45~55銭)比82銭の円高・ドル安。
米下院予算委員会は18日夜、トランプ米大統領の看板政策である大規模減税を盛り込んだ法案を承認した。ただ、財政健全化を訴える共和党の保守強硬派が債務圧縮が不十分だと主張しており、下院の本会議で可決できるかが見通せない状態となっている。トランプ米大統領は20日、与党共和党の会合に参加し、法案の可決に向けて団結するよう求めた。こうした中、米財務省が午後に実施した20年債の入札が低調となったことで投資家らの米財政状況を巡る不安が一段と強まり、円買い・ドル売りの流れが優勢となった。
米メディアは20日、米当局者の話としてイスラエルがイランの核施設を攻撃する準備をしていると報道した。米財政への懸念からドルが対主要通貨で弱地合いとなる中、市場は「有事のドル」よりも、現時点で相対的に安全とされる円の買いに傾いた。
加藤勝信財務相は21日、当地で開催中の先進7カ国(G7)財務相・中央総裁会議に合わせ、ベセント米財務長官と個別会談を行ったもようだとの報道があった。為替問題などについて協議したとみられており、米国側から日本へ円安是正に関する何らかの言及があったのかどうかが焦点となっている。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1325~1335ドル(前日午後5時は1.1280~1290ドル)、対円では同162円70~80銭(同163円00~10銭)と、30銭の円高・ユーロ安。