〔米株式〕NYダウ大幅続落、800ドル超安=ナスダックも安い(21日) 2025年05月22日 05時41分

 【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク株式相場は米長期金利の急上昇を背景に売りが加速し、大幅続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比816.80ドル安の4万1860.44ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は270.07ポイント安の1万8872.64で引けた。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1億7658万株増の11億6429万株。
 ダウ平均はほぼ全面安となった。市場ではトランプ米大統領肝煎りの大型減税が実現し、財政赤字の拡大につながることが懸念されている。また米財務省がこの日の午後に実施した20年債入札が低調で需要懸念が高まり、30年債利回りおよび10年債利回りも急上昇し、株価を圧迫した。
 トランプ大統領は20日、与党共和党の下院議員会合に参加し、看板政策である大規模減税を含む法案の可決に向けて団結するよう求めた。法案を巡っては、債務増大を懸念する財政規律派が支出削減を主張しており、法案の下院通過は見通せない情勢。米政権の高関税政策で先行き不透明感が広がる中、財政赤字や債務膨張を加速させかねないとの懸念から、投資家のリスク回避姿勢に拍車が掛かっている。
 個別銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループが5.8%安と、ダウの下げを先導した。金融会社による投資判断引き下げなどが売り要因。ナイキは4%超安。アメリカン・エキスプレス(アメックス)、スリーエム(3M)がいずれも3%超下落した。また、2026年1月通期の業績見通しの引き下げが嫌気され、小売り大手ターゲットは5%超安。一方、コカ・コーラは0.2%高だった。

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