〔NY外為〕円、143円台後半(7日) 2025年05月08日 06時29分
【ニューヨーク時事】7日のニューヨーク外国為替市場では、米中貿易摩擦の緩和期待を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、円相場は1ドル=143円台後半に下落した。午後5時現在は143円75~85銭と、前日同時刻(142円36~46銭)比1円39銭の大幅な円安・ドル高。
ニューヨーク市場は143円39銭で取引を開始。トランプ米政権は6日、貿易問題に関する米中の閣僚級協議を今週末、スイスで開くと発表した。ベセント米財務長官は7日の議会証言で、米中貿易協議は10日から開始すると明言。米政権による4月の相互関税発動後、両国の公式協議は初めてで、緊張緩和への期待が台頭し、ドルを買って円を売る動きが先行した。
米連邦準備制度理事会(FRB)は7日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り3会合連続で政策金利の据え置きを決定した。声明では「失業増とインフレ再燃のリスクが増大している」と指摘。米高関税政策の影響下で景気先行きを警戒する文言を受けて一時的に円買い・ドル売りに振れ、円は142円91銭まで下げ幅を縮小した。
ただ、パウエルFRB議長は記者会見での発言を受け、一転して円売り・ドル買い地合いが強まり、144円近辺まで円が売られる場面もあった。パウエル氏は、3月の前回会合時点と比べ雇用や物価のリスクが増大しているとの認識を示したが、こうしたリスクは「具現化していない」と言及。米経済は健全で現行の政策ポジションは今後の経済動向に対応する上で「良い位置にある」と改めて強調した。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1297~1307ドル(前日午後5時は1.1361~1371ドル)、対円では同162円51~61銭(同161円95銭~162円05銭)と、56銭の円安・ユーロ高。