〔NY石油〕WTI小幅反落、72.70ドル(4日) 2025年02月05日 05時53分

 【ニューヨーク時事】4日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政府による対中追加関税発動を受けた売りが先行したものの、対イラン制裁を巡る警戒感から買い戻され、小幅反落にとどまった。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は前日清算値(終値に相当)比0.46ドル(0.63%)安の1バレル=72.70ドル。4月物は0.05ドル安の72.34ドル。
 トランプ米政権は4日、合成麻薬フェンタニルの米国への流入が続いているとして、中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。中国政府は対抗措置として、報復関税を10日に発動すると発表した。中国は米国から輸入される石炭と天然ガスに15%、原油などには10%の追加関税を課す。米高官らは、両国首脳が「近く」電話協議すると言及したが具体的な予定は明らかにされておらず、米中の貿易摩擦の激化を招くとの警戒感が再燃した。エネルギー需要鈍化懸念も広がる中、相場は下げ足を速め、一時3%超下落、70ドル割れを試す展開となった。
 しかし、トランプ大統領が対イラン制裁を強化する意向との報道をきっかけに、売りの流れは反転。中東産原油の供給不安や地政学リスクの高まりへの懸念が浮上し、買い戻しが活発になり、朝方の下げ幅の大部分を縮小した。ロイター通信が米当局者の話として伝えたところによると、トランプ氏は4日、イランに対する「最大限の圧力」を加える政策を改めて発動するため、大統領令に署名する見通しという。トランプ氏は政権1期目、核合意離脱やイラン産原油禁輸などの政策を打ち出していた。
 ▽ガソリン=反落。中心限月3月物の清算値は1.87セント安の1ガロン=209.90セント。 ▽ヒーティングオイル=反落した。3月物の清算値は3.33セント安の1ガロン=242.98セント。

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