〔NY金〕続伸、2875.80ドル=最高値更新(4日) 2025年02月05日 04時59分
【ニューヨーク時事】4日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米政権の関税政策への警戒感を背景に安全資産としての金買いが入り、続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比18.70ドル(0.65%)高の1オンス=2875.80ドルと、中心限月の清算値ベースで前日に付けた最高値を塗り替えた。
中国政府は4日、トランプ米政権による対中追加関税への対抗措置として、米国からの一部輸入品に最大15%の追加関税を課すと明らかにした。実施は今月10日から。具体的には米国から輸入する石炭や天然ガスなどに15%、原油や農業機械、排気量の大きな自動車などに10%の関税を上乗せする。国境を接するカナダとメキシコからの輸入品に対する関税導入を巡っては、不法移民や合成麻薬対策で合意し実行を1カ月延期したものの、これらの国との貿易摩擦が台頭するとの警戒感が拡大。投資家がリスクオフ姿勢を強めたことを受け、金市場に逃避資金が流入し相場は堅調に推移した。
米長期金利の一時低下や、外国為替市場でドルがユーロに対し一時軟化したことも、利回りを生まず、ドル建てで取引される金の支援材料となった。
昨年12月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人数が前月比55万6000件減の760万件と、市場予想(ロイター通信調べ)の800万件を下回った。労働市場軟化の兆しが示唆されたが、市場への影響は限定的だった。
世界最大の金消費大国である中国は、春節(旧正月)に伴い休場。5日から取引が再開される。