〔NY石油〕WTI大幅反落、70ドル台(4日午前) 2025年02月04日 23時47分
【ニューヨーク時事】4日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政府による対中追加関税の発動を嫌気し、大幅反落している。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は午前9時半現在、前日清算値(終値に相当)比2.31ドル安の1バレル=70.85ドル。
トランプ米政権は4日、合成麻薬フェンタニルの流入が続いているとして、中国からの輸入品に対し10%の追加関税を課した。前日は、メキシコとカナダの2カ国と関税発動を1カ月遅らせる案で合意し、相場は安堵(あんど)感から上昇したものの、この日は一転して売りが優勢となっている。
中国政府は対抗措置として、10日以降、米国から輸入する物品に追加関税を課すと発表。対象には原油のほか、石炭や天然ガスなどが含まれ、エネルギー商品の需要が鈍化するとの懸念が強まっている。ロイター通信によると、2024年の中国の原油輸入総量のうち、米国産は1.7%を占めた。米中首脳は近く電話協議を行うとされるが、市場は交渉がまとまらず、両国が再び「貿易戦争」に発展する事態を警戒している。