〔NY石油〕WTI反落、72.62ドル=約1カ月ぶり安値(29日) 2025年01月30日 06時18分

 【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給の先行きを巡る不透明感の強まりを嫌気し、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.15ドル(1.56%)安の1バレル=72.62ドル。これは2024年12月31日以来、約1カ月ぶりの安値水準。4月物は0.96ドル安の71.98ドルで引けた。
 レビット米大統領報道官は28日の記者会見で、カナダとメキシコに対し、2月1日から25%の関税を課す方針に変更はないと説明した。ロイター通信によると、23年の米石油輸入のうち、カナダが日量390万バレルと全体のほぼ半分を占め、メキシコも73万3000バレルを供給。関税引き上げに伴う需要への影響を警戒し、この日は売りが先行した。
 一方、供給面では、石油輸出国機構(OPEC)の動向も注目材料。トランプ米大統領はOPECに油価引き下げを要請しているが、ロシアなどの非加盟国を加えた「OPECプラス」は4月から追加の自主減産分を段階的に縮小する方針で、計画通りに実質的な増産に踏み切るかどうかに関心が寄せられている。このほか、米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報では、原油とガソリンの在庫積み増しが確認されるなど下押し要因が重なり、相場は午後に一時72ドル台前半まで値を下げた。
 ▽ガソリン=反落。中心限月2月物の清算値は1.69セント安の1ガロン=203.57セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反発。2月物の清算値は0.39セント高の1ガロン=245.40セント。

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