〔NY金〕上伸、2845.20ドル=最高値更新(30日) 2025年01月31日 05時34分

 【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米政権が掲げる高関税政策の行方に不透明感が広がる中、安全資産としての金需要が高まり、上伸した。この日から新たに中心限月となった4月物の清算値(終値に相当)は前日比51.70ドル(1.85%)高の1オンス=2845.20ドルと、中心限月の清算値ベースでは2024年10月30日に付けた史上最高値を更新した。
 レビット米大統領報道官は週初、メキシコとカナダ、中国に対する関税に関し、2月1日の発動方針に変更はないと説明した。米政権による関税措置実行の意向を背景に市場では警戒感が広がり、安全資産としての金買いが活発化した。
 米長期金利の一時低下も金利を生まない資産である金の相場を下支えた。
 一方、米商務省が朝方発表した24年10~12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.3%増加となり、伸び率は前期(3.1%)から縮小。ロイター通信による市場予想(2.6%増)も下回った。ただ、11四半期連続でプラス成長となったほか、GDPの約7割を占める個人消費が4.2%増(前期3.7%増)と高い伸びとなったことも着目され、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の利下げペースが緩やかになるとの見方を維持する向きも多かった。
 市場の関心は、米商務省が翌31日に発表する24年12月の個人消費支出(PCE)物価指数に向かっている。ロイター通信がまとめた市場予測によると、予想中央値は前月比0.5%増と、前月(0.4%増)から加速する見通しで、個人所得、コアPCE物価指数も伸びが強まると見込まれている。

前日からの主な出来事