海洋安保で協力強化へ=護衛艦の共同開発視野―石破首相、9日東南アジア訪問 2025年01月08日 18時14分

首相官邸に入る石破茂首相=8日午前、東京・永田町
首相官邸に入る石破茂首相=8日午前、東京・永田町

 石破茂首相は9日から、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のマレーシアとインドネシアを訪問する。覇権主義的な動きを強める中国への対応を念頭に、海洋安全保障分野の協力強化を両国と確認。インドネシアとは護衛艦の共同開発も視野に、防衛装備・技術協力の推進で合意する見通しだ。12日に帰国する。
 首相が国際会議以外で外国を訪れるのは就任後初めて。林芳正官房長官は8日の記者会見で「『自由で開かれたインド太平洋』の実現やグローバルサウス(新興・途上国)との連携の観点から、海上交通の要衝かつ世界の成長センターである東南アジアとの協力は不可欠だ」と訪問の意義を強調した。
 マレーシアは今年のASEAN議長国。「全方位外交」を掲げる同国は対中関係も重視するが、首相はアンワル首相と10日に会談し、法の支配など基本的価値の共有を確認したい考え。防衛装備品などを同志国に無償供与する日本の「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の枠組みなどを通じ、安保協力を強化することも申し合わせる見込みだ。
 インドネシアはASEAN最大の人口・経済規模を誇る地域の中核国。首相はプラボウォ大統領と11日に会談し、7日に防衛相間で合意した海洋安保協議の新設を再確認する。大統領は昨秋まで国防相として日本との協力を進めてきた経緯があり、首相は護衛艦の共同開発を海洋安保協議の議題としたい意向だ。 

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