〔NY金〕続伸、2397.70ドル=1カ月半ぶり高値(5日) 2024年07月06日 03時40分

 【ニューヨーク時事】週末5日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米労働市場の軟化の兆しを示唆する経済指標を受けた米長期金利の低下を背景に、続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前営業日比28.30ドル(1.19%)高の1オンス=2397.70ドル。中心限月の清算値ベースで5月下旬以来約1カ月半ぶりの高値を付けた。週間では2.48%高だった。
 米労働省が朝方発表した6月の雇用統計で、非農業部門の就業者数は前月比20万6000人増だった。市場予想の19万人増は上回ったものの、伸びは5月から小幅縮小。失業率は4.1%と前月から0.1ポイント悪化したほか、インフレに影響する平均時給は前年同月比3.9%上昇と、前月から伸びが鈍化した。また4月と5月の非農業部門就業者数が合計で11万1000人下方修正された。
 米労働市場の軟化の兆しを示唆する内容と受け止める向きが多く、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げに踏み切るとの期待が高まり、米長期金利の指標である10年債利回りが低下。金利を生まない資産である金の投資妙味が増し、買い進まれた。対ユーロでのドル安もドル建てで取引される商品の割安感につながり、相場を支援した。
 ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は5日の講演で、米国のインフレに関し、「抑制へ大きな進展が見られている」との認識を表明。一方、FRBが掲げるインフレ2%目標の持続的な達成は「まだ道半ばだ」と述べた。

前日からの主な出来事