〔NY石油〕WTI小幅続伸、83.85ドル(26日) 2024年04月27日 05時13分

 【ニューヨーク時事】週末26日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米利下げ先送り観測が上値を抑えたものの、中東情勢の緊迫化への懸念が引き続き押し上げ要因となり、小幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.28ドル(0.34%)高の1バレル=83.85ドル。7月物は0.38ドル高の83.13ドルだった。
 イスラエルメディアは26日、イスラエルとイスラム組織ハマスのパレスチナ自治区ガザでの交戦を巡り、仲介役のエジプト代表団が同日、イスラエルに到着したと報じた。休戦について協議される見通し。一方で、イスラエルはガザ各地で空爆を強化しており、最南部ラファへの地上作戦計画で準備が最終段階に入ったとみられている。中東情勢の先行きは依然不透明なため供給混乱への懸念が続き、買いが先行した。
 ただ、買い一巡後は伸び悩む展開。米商務省が朝方発表した3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇。伸び率は前月(2.5%上昇)から拡大、市場予想からも上振れした。前月比では0.3%上昇と変わらずとなり、インフレ圧力の根強さが示唆された。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ開始を先送りするとの観測が改めて広がり、景気鈍化を招くとの警戒感が再燃。外国為替市場で、円やユーロなどに対してドル高基調が強まったことも、原油などドル建てで取引される商品の割高感につながり、圧迫要因となった。
 ▽ガソリン=4営業日続伸。中心限月5月物の清算値は0.64セント高の1ガロン=276.46セント。
 ▽ヒーティングオイル=反落。5月物の清算値は0.22セント安の1ガロン=254.82セント。

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