〔NY外為〕円下落、155円台後半(8日) 2024年05月09日 06時33分

 【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の上昇を背景に円売り・ドル買いの流れが継続し、円相場は1ドル=155円台後半に下落した。午後5時現在は155円52~62銭と、前日同時刻(154円65~75銭)比87銭の円安・ドル高。
 ボストン連邦準備銀行のコリンズ総裁は8日、物価安定回復には当初の想定よりも「時間がかかる」と明言。同総裁は米連邦準備制度理事会(FRB)の現行の金融政策スタンスについては、時期尚早な利下げによるリスクと、利下げの遅れによる不必要な景気悪化をもたらすリスクの両方を目配りする上では「適切」と語った。FRBの政策金利が現行の水準で長期にわたって据え置かれるとの観測につながり、この日の米長期金利は上昇した。
 日銀・政府による為替介入への警戒感は残るものの、底堅い米経済や長期金利の上昇傾向が続き、日米金利差が拡大した状態は続くとの観測は根強い。今月に入ってからの介入とみられる動きや弱めの米雇用統計を受けて、円相場は一時151円台まで上昇したものの、一時的な動きと受け止める向きも多い。日銀の植田和男総裁は8日、「最近の円安の動きを十分に注視している」と述べた。その上で、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率が上振れするリスクが高まる場合は「政策上の対応が必要になる」と延べ、追加利上げの可能性を示唆したが、反応は限定的だった。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0743~0753ドル(前日午後5時は1.0750~0760ドル)、対円では同167円16~26銭(同166円30~40銭)と、86銭の円安・ユーロ高。

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