〔東京外為〕ドル、147円前後=米のカナダ関税35%で急伸(11日正午) 2025年07月11日 12時03分
11日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、トランプ米大統領がカナダに35%の関税を通知する書簡をSNSで公表したことを受けて買いが強まり、1ドル=147円前後に急伸している。正午現在、147円00~03銭と前日(午後5時、146円27~29銭)比73銭のドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間は売りが優勢となり、いったん146円前後に下落。同水準では買い戻され、米国時間の序盤は146円30銭台に浮上した。中盤には、米労働関連指標が強めとなり、米長期金利が上昇。これに伴ってドル円は一時146円70銭台まで上値を伸ばした。終盤は米金利の上昇一服を背景に146円10銭台に反落した。
東京時間の早朝もおおむね同水準で推移した。午前9時以降、実需筋の買いが強まる中、仲値前後にカナダへの35%関税が公表されたのが材料視されて、「一気にドル買いが広がった」(為替ブローカー)とされ、146円70銭台に上昇。いったん同水準でもみ合ったが、正午に向けては147円前後へと一段高となった。
トランプ大統領がカナダに35%の関税を課すことを受け、「カナダドル売り・米ドル買いが活発。全般的にドル買いが優勢となり、ドル円も水準が切り上がった」(同)という。また、「全般的にドルが買われる一方、円は主要な通貨に対して売られ、結果的に対ドルでの円売りも強まることになった」(大手邦銀)と指摘される。午後も「トランプ関税の動向に神経質な展開になるのではないか」(同)との声が聞かれる。
ユーロも午前9時以降、対円で上昇。対ドルは下落。正午現在、1ユーロ=171円58~60銭(前日午後5時、171円63~65銭)、対ドルでは1.1671~1671ドル(同1.1733~1733ドル)。