〔東京外為〕ドル、145円台後半=米関税のインフレ懸念で上昇(8日午前9時) 2025年07月08日 09時04分
8日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、トランプ米大統領が公表した新関税率を受けたインフレ懸念に支援され、1ドル=145円台後半に上昇している。午前9時現在、145円86~88銭と前日(午後5時、145円19~20銭)比67銭のドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間も東京時間からの買いが続き、米国時間の序盤には145円50銭前後に上昇。中盤には、25%の対日関税率が公表されたことを受け、一時146円20銭台まで上値を伸ばした。終盤は146円前後に伸び悩んだ。
東京早朝は145円90銭台で推移している。前日の東京時間は、トランプ大統領が「BRICSの反米政策に同調する国には10%の関税を上乗せする」とSNSに投稿したことを受け、ドルは主要な通貨に対して幅広く買われた。欧米時間もドル買いが継続する中、対日関税が25%になることが公表され、ドル円は上値を一段と切り上げた。
トランプ大統領が公表した新関税率は、米国のインフレ懸念を強めると懸念され、米長期金利が上昇。一方、対日関税は日本経済の下押しとなり、日銀はますます利上げに動きにくくなる、とみられる。このため、「ドル円はなお買いが入りやすいのではないか」(FX業者)との見方が出ている。
もっとも、前日からの上昇ピッチがかなり速いこともあり、「上値では戻り売りも出やすい」(大手邦銀)とされ、「いったんは現行水準を中心に値固め局面になる可能性もある」(同)との声が聞かれる。
ユーロも対円は上昇。対ドルは小安い。午前9時現在、1ユーロ=171円20~21銭(前日午後5時、170円52~53銭)、対ドルでは1.1737~1737ドル(同1.1744~1745ドル)。