〔東京外為〕ドル、143円台後半=米中貿易懸念で下落(2日午前9時) 2025年06月02日 09時08分

 2日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米中貿易懸念などから、1ドル=143円台後半に下落した。午前9時は143円78~80銭と前週末(午後5時、144円04~05銭)比26銭のドル安・円高。
 5月30日の米国時間序盤は米中貿易摩擦への警戒感が広がり、143円40銭台に下落。その後は月末のドル買いフローやダウ工業株30種平均の切り返しなどを眺めて144円40銭台に上昇した。中盤以降、トランプ政権による関税政策の先行き不透明感などから143円70銭台へ軟化した。2日の東京早朝は143円70~80銭で弱含んだ。
 トランプ米大統領は30日、SNSに「中国は合意を完全に破った」などと投稿。具体的な内容には触れていないものの、中国との交渉が進展していないことに不満を示したとみられている。また、関税措置を巡る4回目の日米貿易交渉が行われ、協議に参加した赤沢経済再生担当相は「合意に向けた議論が進展している」などと強調したが、「日米間で引き続き事務レベルでの協議を続ける」と語り、なお厳しい交渉が続いていることを示唆した。
 ドル円はトランプ米政権の関税政策などの不確実性から一方向にポジションを作りにくい地合いが続く公算が大きい。市場関係者は「関税措置を巡る米国と各国の関税協議の行方が見えてくるまで、ドル円は140~145円レンジが続く」(FX会社)との見方を示す。
 ユーロは対円で小動き、対ドルは小幅高。午前9時は1ユーロ=163円24~26銭(前週末午後5時、163円28~37銭)、対ドルでは1.1352~1353ドル(同1.1337~1343ドル)。

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