〔東京外為〕ドル、143円前後=株上げ幅縮小で伸び悩む(3日午後3時) 2025年06月03日 15時04分
3日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、株価の上げ幅縮小を受けて売りが強まり、1ドル=143円前後に伸び悩んでいる。昼すぎには植田和男日銀総裁の利上げに慎重と受け止められる発言などで143円20銭台に浮上したが、その後は水準をやや下げている。午後3時現在、142円94~95銭と前日(午後5時、142円90~90銭)比04銭の小幅ドル高・円安。
前日の海外市場では、米国時間の序盤に5月のISM製造業PMIの結果を受けて売りが強まり、142円50銭台に下落した。中盤に向けては、米政権が習中国国家主席と近く電話会談すると発表したことが好感され、143円近辺に回復。終盤は、長期金利の上昇一服を背景に142円60銭台に軟化した。
3日の東京時間の早朝は売りが優勢となり、142円40銭台に軟化。午前9時以降は、ポジション調整の買いが入ったほか、植田総裁が参院財政委員会で「将来の利下げ余地を作るために、無理に政策金利を引き上げる考えはない」と発言し、早期利上げ観測が後退。これに伴って143円20銭台へ水準を切り上げた。正午は上げ一服となったが、昼すぎに143円20銭台に再浮上。ただ、株価が上げ幅を縮小させたことから午後3時にかけては伸び悩んだ。
午前中は、植田総裁のハト派的な発言を受けてドル円は上値を切り上げたが、「引き続きトランプ政権の通商政策への不透明感が根強い」(為替ブローカー)ため、上げ余地は限られた。また、「日経平均の失速もドル円の上値を重くした」(大手邦銀)とされる。
ユーロも午後は対円で伸び悩み、対ドルは弱含み。午後3時現在、1ユーロ=163円27~30銭(前日午後5時、163円23~26銭)、対ドルでは1.1420~1421ドル(同1.1423~1424ドル)。