〔東京外為〕ドル、143円台前半=植田日銀総裁発言で上昇(3日正午) 2025年06月03日 12時16分

 3日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田和男日銀総裁の利上げに慎重と受け止められる発言などを受けて、一時1ドル=143円前半に上昇した。正午は、143円10~11銭と前日(午後5時、142円90~90銭)比20銭のドル高・円安。
 前日の海外市場で、米国時間の序盤に5月のISM製造業PMIの結果を受けて売りが強まり、142円50銭台に下落した。中盤に向けては、米政権が習中国国家主席と近く電話会談すると発表したことが好感され、143円近辺に回復。終盤は、長期金利の上昇一服で、142円60銭台に軟化した。
 3日の東京時間の早朝は売りが優勢となり142円40銭台で推移した。午前9時以降は、ポジション調整の買いや、植田和男日銀総裁が参院財政委員会で「将来の利下げ余地を作るために、無理に政策金利を引き上げる考えはない」との発言を受けて早期利上げ観測が後退し、143円20銭台へ水準を切り上げた。正午にかけては、上昇一服となり、143円付近に緩んだ。
 ドル円は買い戻しが優勢。ただ、トランプ政権による関税政策への不透明感は根強く、143円台前半で頭打ちとなった。
 午後も、「上値は限られ、143円台前半にとどまる」(別の国内銀行)との見方が出ていた。
 ユーロは朝方に比べ対円で小幅高、対ドルで横ばい圏。正午は、1ユーロ=163円49~50銭(前日午後5時、163円23~26銭)、対ドルでは1.1423~1424ドル(同1.1423~1424ドル)。

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