〔米株式〕ダウ反落、47ドル安=ナスダックも安い(28日午前) 2025年08月28日 23時13分

 【ニューヨーク時事】28日午前のニューヨーク株式相場は、米中対立が米半導体大手エヌビディアの経営に及ぼす影響などに警戒が広がる中、反落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比47.05ドル安の4万5518.18ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は26.92ポイント安の2万1563.22。
 エヌビディアが27日発表した2025年5~7月期決算は、売上高が前年同期比56%増の467億4300万ドル(約6兆8900億円)、純利益が59%増の264億2200万ドルと、いずれも四半期として過去最高を更新した。8~10月期の業績予想では売上高がさらに拡大する見通しも示された。ただ、米規制強化で一時出荷停止となり、その後再開許可が出た中国市場向け人工知能(AI)半導体「H20」の同国向け売り上げは予想に含まれていない。中国の半導体メーカーがAI半導体の国内生産量を2026年に3倍に増やす意向だと伝えたとの一部報道もある中、米中の通商面での緊張が米半導体業界に与える影響などに警戒感がくすぶり、ダウはひとまず売りが先行している。
 一方、米商務省が朝方発表した4~6月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比3.3%増となり、市場予想(3.1%上昇=ロイター通信調べ)を上回った。設備投資や個人消費が上振れし、速報値(3.0%増)から上方修正された。一方、最新週の米新規失業保険申請も強めの内容。景気と労働市場の底堅さが示唆され、市場には一定の安堵(あんど)感が広がっており、下げ幅は限定的となっている。
 個別銘柄をみると、エヌビディアが2%超安とダウの下げを先導。一方、26年通期の製品売上高見通しを上方修正したスノーフレイクは17%超高と急伸している。

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