〔NY金〕3日ぶり反発、3359.10ドル(16日) 2025年07月17日 04時07分
【ニューヨーク時事】16日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任を巡る報道を受け乱高下した後、3営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比22.40ドル(0.67%)高の1オンス=3359.10ドル。
米ブルームバーグ通信は16日、ホワイトハウス関係者の話として、トランプ米大統領が近くパウエルFRB議長を解任する可能性があると報じた。FRBの独立性が揺らぐとの懸念が広がり、金融市場は株安、ドル売りで反応。安全資産として金の買いも膨らみ、相場は一時3380ドル台に跳ね上がった。
ただ、トランプ氏は米メディアの報道後間もなく、ホワイトハウスで記者団に対し、パウエルFRB議長の解任を「計画していない」と明言。これを受けて、米株価は下げ止まり、ドルは買い戻された。金は売り戻され、20ドル余り上げ幅を縮小した。
米労働省が朝方発表した6月の卸売物価指数(PPI)では、総合とコアはいずれも前月比横ばいとなり、市場予想(0.2%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。前日公表された6月の米消費者物価指数(CPI)は、米高関税政策の影響による物価上昇の兆しが示唆された。両指標の結果から、FRBは早期利下げについて慎重姿勢を維持するとの観測が改めて広がる中、利子の付かない資産である金は朝方、売りが出る場面もあった。