〔NY金〕3日続落、3316.90ドル(8日) 2025年07月09日 03時30分
【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の上昇などを背景に、3営業日続落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比25.90ドル(0.77%)安の1オンス=3316.90ドル。
トランプ米大統領は7日、日本や韓国を含む14カ国に対する書簡で、新たな関税率を通知した。対象国には、重要な貿易相手である中国や欧州連合(EU)、インドは含まれておらず、米中と米印の交渉はそれぞれ継続中で、米EU交渉は合意に近づいているという。書簡の送付は今後も続き、関税発動予定日の8月1日まで交渉は続行されることになる。一方、石破茂首相は8日、トランプ氏が日本からの輸入品に8月から25%の相互関税を課すと表明したことを受け、一連の関税措置見直しに向けた協議の継続を関係閣僚に指示。韓国も、向こう数週間で通商協議を強化するとの意向を示した。米国と貿易相手国の交渉の先行きに楽観的な見方を示す向きもあり、安全資産としての金需要が後退。金は売りが優勢となった。米長期金利の上昇も金利を生まない資産である金の相場を下押した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が9日午後公表する連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月17、18日開催分)から今後の金融政策の方向性を見極めたいとの思惑も広がった。
ベセント米財務長官は8日、ホワイトハウスで行われた閣議で、関税による収入が年末までに3000億ドル(約44兆円)以上に達する可能性があるとの見通しを表明。一方、トランプ氏は、電気自動車(EV)や軍用装備品などにとって重要な金属として、国内生産を拡大する取り組みで、米国に輸入される銅に50%の関税を課す計画を同日中に発表すると明らかにした。