〔NY石油〕WTI続伸、65.24ドル(26日) 2025年06月27日 05時13分

 【ニューヨーク時事】26日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の先行きが注視される中、需給引き締まり観測を背景とした買いが優勢となり、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.32ドル(0.49%)高の1バレル=65.24ドル。9月物は0.36ドル高の63.82ドルだった。
 イランとイスラエルの停戦合意を受け、市場にはひとまず安堵(あんど)感が広がっている。しかし、中東情勢の先行きに対する不透明感が根強く、原油売りの流れは一巡した。トランプ米大統領は25日、イランと「来週協議する予定だ」と発表した上で、「何らからの合意」を結ぶ可能性を示唆した。一方、イランの最高指導者ハメネイ師は26日公開された動画で、「シオニスト政権(イスラエル)に勝利したことを祝福する。シオニストは壊滅的打撃を受けた」と主張している。
 市場の主な関心は需給要因に移行。米エネルギー情報局(EIA)が25日公表した週報によると、最新週の米原油在庫は前週比580万バレル減と、減少幅は市場予想(80万バレル減=ロイター通信調べ)の7倍超となった。ガソリン在庫は予想外の取り崩し。需要の堅調さを示唆する内容がなお支援要因となり、相場は一時66ドル台半ばまで上伸。外国為替市場で、ドル安・ユーロ高基調が続いていることもドル建てで取引される原油の買い地合いにつながった。
 ただ、買い一巡後は利益確定の売りが活発になり、上げ幅を縮小した。
 ▽ガソリン=4営業日ぶりに反発。中心限月7月物の清算値は1.66セント高の1ガロン=209.90セント。 ▽ヒーティングオイル=続伸。7月物の清算値は6.37セント高の1ガロン=236.01セント。

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