〔NY金〕続伸、3348.00ドル(26日) 2025年06月27日 04時31分

 【ニューヨーク時事】26日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、中東情勢の緊張緩和や米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期を巡る不透明感がくすぶる中、小幅続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比4.90ドル(0.15%)高の1オンス=3348.00ドル。
 リッチモンド連邦準備銀行のバーキン総裁は26日の講演で、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策運営について「拙速に判断する利点はほとんどない」と述べ、堅調な米経済を踏まえて当面は指標や動向を慎重に見極める姿勢を示した。シカゴ連銀のグールズビー総裁もCNBCテレビのインタビューで、政策金利は「現行水準から相当下がる」との見通しを堅持しつつ、トランプ政権による高関税政策のインフレへの影響が限定的かどうかを判断するには、「あと2~3カ月を要する」と指摘。FRB高官が相次いで時期尚早な利下げに慎重姿勢を示したことで、金は一時売りが優勢となった。ただ市場の利下げ見通しに大きな修正を迫るような内容ではなく、発言内容が消化されると買い戻しが入り、プラス圏に切り返した。
 米商務省が発表した2025年1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値は前期比0.5%減となり、改定値の0.2%減から下方修正された。個人消費の減速が主因で、通商政策の影響による景気のゆがみを指摘する声もある。

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