ペルー最高峰で遭難、邦人女性死亡=雪山悪天候、もう1人は救助へ 2025年06月26日 12時04分

【サンパウロ時事】南米アンデス山脈にあるペルー最高峰ワスカラン(6768メートル)で雪山登山中の日本人女性2人が遭難し、このうち医師の稲田千秋さん(40)が死亡した。稲田さんの所属団体が日本時間26日に発表した。現場は悪天候に見舞われており、当局は生存が確認されたもう1人の救助に全力を挙げている。
遭難したのは稲田さんと友人の寺田紗規さん(35)。稲田さんが医療アドバイザーを務める野外災害救助関連団体「ウィルダネスメディカルアソシエイツジャパン(WMAJ)」によると、稲田さんが24日未明(日本時間同日午後)、山頂付近で低体温症によるとみられる体調不良で身動きが取れなくなり、衛星通信を使って現地レスキュー機関に救助を求めた。下山中だったとみられる。
救助は24日夕に始まったが、標高が高すぎてヘリコプターが到達できず、救助隊到着までに時間を要した。重体だった稲田さんは間もなく死亡が確認された。
稲田さんは山岳での救急技術を教育していたといい、16日付のSNSに「思いっきり楽しんできます!」とのメッセージを添え、寺田さんとの写真を投稿していた。
地元メディアは、ワスカラン登山を「世界の登山家に過酷な挑戦の一つと受け止められている」と指摘。2人がガイドなしで入山したと報じているが、WMAJは時事通信の取材に対し「用意周到に準備していたし、一流のクライマーだ」と強調した。付近では最近雪崩が発生し、巻き込まれた登山者3人の遺体が収容されている。