〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、74.93ドル(20日) 2025年06月21日 04時54分

 【ニューヨーク時事】週末20日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の緊迫化を背景とした買いが一服し、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前営業日(18日)比0.21ドル(0.28%)安の1バレル=74.93ドルだった。8月物は0.34ドル高の73.84ドル。
 この日納会を迎える7月物は終日、持ち高調整を中心とした売り買いが交錯した。
 レビット米大統領報道官は19日、トランプ大統領の発言として、イスラエルと交戦するイランへの攻撃について、「2週間以内」に判断する方針を発表。武力行使を辞さない構えが示されたものの、外交的解決を模索する姿勢も見えた。レビット氏は、イランへの参戦検討に際し、トランプ氏が原油相場の動向を注視していることも明らかにした。イスラエルとイランの交戦が続く中、米軍事介入への懸念がやや緩和し、売りが先行した。
 一方、米政権は20日、イランに関連する新たな制裁を公表。イランの防衛産業向けに精密機械を調達、輸送の積み替えを行っていた個人や組織、船舶が対象となる。市場参加者の間では、このような制裁は、イランに対するより幅広い交渉アプローチの一環となる可能性があるとの見方もあった。
 ロシアのプーチン大統領は20日、イスラエルとイラン間の紛争により原油価格が大幅高となったわけではないと発言。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が石油市場に介入する必要はないと述べた。
 ▽ガソリン=3営業日続伸。中心限月7月物の清算値は2.09セント高の1ガロン=232.95セント。 ▽ヒーティングオイル=5営業日続伸。7月物の清算値は0.84セント高の1ガロン=254.18セント。

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