年内2回の利下げを想定するも、現状は待ちの姿勢を維持=FOMC経済見通し・FF金利予想 2025年06月20日 09時25分
米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月18 日、フェデラルファンド金利(FF金利)の目標範囲を4.25~4.50%に据え置く決定をしました。同時に参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。
前回3月の経済見通しと比べると、2025年の実質GDPは1.4%に下振れ、PCE物価指数は総合指数が3.0%、コア指数が3.1%にそれぞれ上振れるとの見通しとなっています。トランプ政権が課す関税のインフレに与える影響を反映した予想とみられます。ただ現状、最新の経済指標には十分反映されていなく、今夏中に遅れて反映されるとの見方があり、物価指数の予想にさらなる影響をもたらす可能性があります。これに加えイスラエル・イラン戦争の拡大は、エネルギー価格高騰の長期化となり、インフレの加速化が懸念されます。
FF金利の予想の中央値は3月の予想と変わらず、年内に2回の利下げ(0.25%の利下げに換算)の見通しとなっています。しかしながら、ドットプロットを見ると、19人の参加メンバー中7人が、年内の利下げは据え置きとの予想を提示しており、FOMC内の議論が大きく分かれていることを示しています。さらに2026年、2027年の予測中央値では、それぞれ1回の利下げが実施されることになります。パウエル議長は、FOMC終了後の記者会見で、「今年中の関税引き上げは物価上昇を促し、経済活動に圧力をかける可能性があります。現時点では、政策スタンスの調整を検討する前に、経済の今後の動向についてさらに情報を収集する余裕があります」と述べ、待ちの姿勢を崩しませんでした。
※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表
(H・N) [ゴールデン・チャート社]
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