〔NY石油〕WTI急反発、72.98ドル=4カ月ぶり高値(13日) 2025年06月14日 04時43分
【ニューヨーク時事】週末13日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東地域の緊張の高まりを受けて急反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比4.94ドル(7.26%)高の1バレル=72.98ドル。これは今年2月11日以来、約4カ月ぶりの高値。8月物は4.65ドル高の71.29ドルだった。
イスラエルは13日、敵対するイランに大規模な空爆を実施。核開発の重要拠点である中部ナタンズのウラン濃縮施設に甚大な被害が出たほか、主要な軍司令官らが殺害された。これを受け、イランも同日にドローンで報復攻撃を行い、両国の軍事衝突激化は必至との見方が広がる中、市場では買いが殺到。相場は12日夜の時間外取引で一時77.62ドルを付け、12日清算値比で14%超急騰した。
その後は、イラン国営石油会社から同国の石油精製・貯蔵施設は被害を免れ、操業を継続しているとの説明があり、相場はじりじりと上げ幅を縮小。今後、原油輸送の要衝ホルムズ海峡が閉鎖されることへの警戒感は根強いものの、現段階で地域一帯の供給網に影響は出ていないとする専門家の分析も一定の安堵(あんど)感につながったもよう。
トランプ米大統領は13日、SNSでイランに対して改めて早期のディール(取引)を要求。ただ複数のメディアによると、イランは15日にオマーンで開催予定だった米国との高官協議を取りやめる意向を通告した。取引終盤には、イスラエルに向けて数百発の弾道ミサイルを発射する反撃作戦の様子が報じられ、改めて上昇幅を拡大する場面があった。
▽ガソリン=大幅反発。中心限月7月物の清算値は8.47セント高の1ガロン=222.76セント。 ▽ヒーティングオイル=大幅反発。7月物の清算値は17.00セント高の1ガロン=235.87セント。