〔東京外為〕ドル、一時142円台後半=中東情勢の緊迫化で(13日午後5時) 2025年06月13日 17時22分

 13日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、中東情勢の緊迫化で安全資産とされる円買いが進み、一時1ドル=142円台後半に下落した。5日以来約1週間ぶりの安値水準。午後5時現在は、1ドル=143円79~80銭と前日(午後5時、143円86~88銭)比07銭の小幅ドル安・円高。
 午前は「イスラエル軍がイランを攻撃した」との報道を受け、地政学リスクを警戒した円買いが進み、142円80銭台に大幅下落。その後は実質的な五・十日に伴った国内輸入企業の買いなどが増加し、143円30銭付近へ切り返した。
 午後に入ると一転して有事のドル買いが強まったほか、週末を控えた持ち高調整の買いなども散見され、143円80銭台に浮上。買い一巡後は決め手を欠き、143円30~80銭台で方向感なく推移した。
 イスラエルによるイランへの攻撃で、当初はリスク回避の円買いが先行したが、その後は有事のドル買いが強まり、ドル円は下げ分を取り戻す展開だった。イランの最高指導者ハメネイ師は「イスラエルは厳しい処罰を覚悟しなければならない」と報復を示唆。イスラエルのメディアは「イランが過去数時間で100機以上のドローンを発射した」と報じており、中東情勢は一段と悪化する恐れがある。市場関係者は「リスク回避の円買いと、有事のドル買いのどちらが勝るか、見極めたい」(外為仲介業者)と話していた。一方で「イスラエルがイランを攻撃するとの観測はあったため、市場の反応は一時的だろう」(FX会社)と見る向きもいた。
 ユーロは対円、対ドルともに横ばい。午後5時現在は、1ユーロ=165円86~88銭(前日午後5時、165円83~84銭)、対ドルでは1.1534~1535ドル(同1.1526~1526ドル)。

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