〔NY石油〕WTI4日ぶり反落、64.98ドル(10日) 2025年06月11日 04時51分

 【ニューヨーク時事】10日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中通商協議進展への期待などを背景にいったんは買いが先行したものの、あと利益確定の売りが優勢となり、4営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前日比0.31ドル(0.47%)安の1バレル=64.98ドルだった。8月物は0.31ドル安の63.91ドル。
 米中両政府は10日、ロンドンで2日目の閣僚級貿易協議に入った。中国のレアアース(希土類)輸出規制を巡る進展の有無が焦点となる中、ラトニック米商務長官は同日、協議は順調に進んでいると発言。協議を通して両国の貿易摩擦が緩和され、エネルギー需要が上向くとの連想から、原油は午前にかけては買いが優勢となり、一時66.28ドルまで上伸する場面もあった。石油輸出国機構(OPEC)盟主サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが計画している7月の対中輸出が、前月比100万バレル減の約4700万バレルにとどまる見込みだとの一部報道も下支え要因となった。
 一方、ロイター通信の調査で、OPECの5月の産油量は日量2675万バレルと、前月比15万バレル増加したことが分かった。需給動向をにらんで高値圏では利食い売りも出やすく、終盤はマイナス圏に沈んだ。
 目先の注目材料は、米官民が翌11日までに発表する在庫週報。市場予想(ロイター通信拡大版調査)によると、原油在庫は前週比200万バレルの取り崩しとなっている。
 ▽ガソリン=4営業日ぶりに反落。中心限月7月物の清算値は0.72セント安の1ガロン=208.80セント。
 ▽ヒーティングオイル=4営業日ぶりに反落。7月物の清算値は0.48セント安の1ガロン=214.16セント。

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