〔NY石油〕WTI軟化、67ドル台(12日午前) 2025年06月12日 23時00分

 【ニューヨーク時事】12日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢の緊迫化を背景とした買いが一服し、軟調に転じている。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前9時50分現在、前日清算値(終値に相当)比0.80ドル安の1バレル=67.35ドル。
 トランプ米大統領は11日、記者団に対し「(中東地域が)危険な場所になる可能性がある」と警告した。イランの核兵器保有を阻止するため、米政権は同国との協議を重ねているが、イランと敵対するイスラエルは軍事力の行使を主張。対イラン攻撃の準備が整ったとするイスラエルからの通告を受け、相場は11日夕に一時69ドル台に乗せた。
 米金融機関の試算によると、イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を閉鎖する事態となれば、油価は1バレル当たり120~130ドル付近に跳ね上がる可能性もあるという。ただ、足元は石油供給に混乱が生じていないことから、利益確定の売りが台頭し、相場は12日朝にかけて緩やかに軟化する展開となっている。

市況・概況