〔米株式〕NYダウ続落、149ドル安=ナスダックも安い(12日午前) 2025年06月12日 23時22分

 【ニューヨーク時事】12日午前のニューヨーク株式相場は、中東情勢の緊迫化を背景に売りが先行し、続落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比149.36ドル安の4万2716.41ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は25.01ポイント安の1万9590.87。
 米CBSニュースは、イスラエルが対イラン攻撃の準備完了を米国に通告したと報道。トランプ米大統領は11日、「(中東地域が)危険な場所になる可能性がある」と警告した。米国務省は同日、「地域の緊張の高まり」を理由に一部の在イラク大使館職員に国外退避を指示。一方、米イランの核協議が続く中、イランのナシルザデ国防軍需相は、対米交渉が決裂した場合、中東地域の米軍基地への攻撃を示唆した。中東地域の地政学的リスクへの警戒感を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まり、売りが先行している。
 インド西部のアーメダバードで12日、地元航空大手エア・インディアが運航する旅客機が市街地に墜落した。地元メディアは全員が死亡したと報道。機体は米ボーイング787型機だという。これを受け、ボーイング株は4%超安と、ダウ平均を下押している。
 一方、朝方発表された5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇、エネルギーと食料品を除いたコア指数も前月比0.1%上昇となり、いずれも市場予想を下回った。前日発表の消費者物価指数(CPI)に続きインフレの落ち着きが示されたことが米利下げ期待につながっており、下げ幅は限定的となっている。
 個別銘柄では、キャタピラーやウォルマート、スリーエムが安い。一方、オラクルは12%超高。年間売上高の伸びの予想を上方修正したことが買い材料視されている。

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