〔NY外為〕円、143円台前半(12日朝) 2025年06月12日 22時13分

 【ニューヨーク時事】12日午前のニューヨーク外国為替市場では、米インフレ関連指標が市場予想を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが強まり、円相場は1ドル=143円台前半に上昇している。午前9時現在は143円20~30銭と、前日午後5時(144円55~65銭)比1円35銭の大幅な円高・ドル安。
 米労働省が12日発表した5月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇と、市場予想(ロイター通信調べ)の0.2%上昇を下回った。エネルギーと食料品を除いたコア指数も前月比0.1%上昇と、予想の0.3%上昇を下回った。前日に発表された5月の消費者物価指数(CPI)と併せ、事前に警戒されていたほどの物価上昇圧力が示されなかったことで米長期金利が低下し、日米金利差の観点から円買い・ドル売りが加速した。
 また、トランプ米大統領は11日、記者団に対し「(中東地域が)危険な場所になる可能性がある」と警告。米CBSニュースは、イスラエルが対イラン攻撃の準備完了を米側に通告したと報道した。中東情勢の緊迫化を背景に相対的に安全とされる円に買いが集まったとの見方もあった。インド西部のアーメダバードでは12日、地元航空大手エア・インディアが運航する旅客機が市街地に墜落。市場参加者は事故の続報にも関心を寄せている。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1610~1620ドル(前日午後5時は1.1482~1492ドル)、対円では同166円30~40銭(同166円02~12銭)と、28銭の円安・ユーロ高。

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