米、安保リスクは「対処可能」=日鉄のUSスチール買収で―報道 2025年05月23日 07時57分

【ワシントン、ニューヨーク時事】ロイター通信は22日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を審査していた対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告で、大半が国家安全保障上のリスクに対処できるとの見解を示したと報じた。CFIUSは21日、トランプ米大統領に買収案に関する勧告書を提出している。トランプ氏はこれを踏まえ、6月5日までに買収の可否を判断する見通しだ。
買収計画を巡っては、安保上の懸念があるとしてトランプ氏が再審査を指示。ロイターによると、CFIUSの勧告では、安保上のリスクは「軽減策によって対処できる可能性が高い」との意見が大半だったが、全会一致ではなかったという。トランプ氏はこれまで、買収に反対する姿勢を示しており、実現にこぎ着けるかは依然として不透明だ。
日鉄は米政権が買収を承認した場合、USスチールに計140億ドル(約2兆円)を投資する計画で、製鉄所の新設も盛り込んだと報じられている。トランプ氏は完全な買収を認めない一方、製造業の復活に向けた投資は歓迎している。
これに対し、日鉄の買収計画に猛反発する全米鉄鋼労組(USW)のマッコール会長は22日、声明を発表。経営統合を認めないようトランプ氏に要請し、「米国の鉄鋼労働者や国家安保、製造業の未来にとって惨事になる」と訴えた。
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