〔東京外為〕ドル、145円付近=日米財務相会談控え、小動き(20日午前9時) 2025年05月20日 09時04分

 20日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米の財務相会談などを控える中、1ドル=145円付近での小動きとなっている。午前9時は、144円97~98銭と前日(午後5時、144円84~85銭)比13銭のドル高・円安。
 19日の海外市場では、欧州時間は144円70銭~145円05銭程度で推移。米国時間の序盤は、安寄りした主要株価指数の切り返しを受けて、145円20銭付近に浮上した。中盤以降は、売買に決め手を欠く中、144円80銭~145円10銭程度でもみ合った。ムーディーズによる米国債の格下げの影響は「それほど広がらなかった」(外為仲介業者)。20日の東京早朝は、144円90銭台を中心にこう着した。
 市場では、今週に開催が予定される日米財務相会談を見極めたいムードが広がっている。先週、米国と韓国の高官が為替政策を協議したと伝わったことから、日米会談でも米側から円安是正を要求されるとの思惑がくすぶる。市場関係者は「米が為替の水準などに言及する可能性は低いが、トランプ氏は円安を『大惨事』と批判しており、安心はできない」(国内銀行)と話している。関税措置を巡る3回目の日米貿易交渉の先行き不透明感も根強い。米当局者は19日、「今週、(日本を含め)貿易交渉での合意発表を予想せず」と見通しており、市場では交渉妥結への道のりは長いとの見方が多い。
 仲値公示にかけては、五・十日に伴う実需のフローが膨らむ可能性があるが、その後は、日米協議を前に一方向にポジションを傾けにくく、145円前後でのレンジ推移にとどまりそうだ。
 ユーロも対円、対ドルで小動き。午前9時は、1ユーロ=162円83~85銭(前日午後5時、162円78~79銭)、対ドルでは1.1232~1232ドル(同1.1238~1239ドル)。

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