〔東京外為〕ドル、145円台半ば=弱い米経済指標で下落(16日午前9時) 2025年05月16日 09時06分

 16日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、弱い米経済指標で米長期金利が低下したことに圧迫され、1ドル=145円台半ばに下落している。午前9時現在、145円57~58銭と前日(午後5時、145円88~90銭)比31銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は東京時間終盤に売られた反動から買い戻され、米国時間の序盤には146円台前半を回復。もっとも、その後は4月の米小売売上高や4月の米卸売物価指数(PPI)などが弱めとなり、米長期金利が低下する中、ドル円は中盤に145円台半ばまで売られた。終盤は145円60銭台に持ち直した。
 東京時間の早朝は145円50~60銭前後で推移している。米経済指標が弱めだったことから「なお売りが出やすい」(FX業者)とみられる。また、韓国ウォン高・ドル安の余波でドル円も売られた影響から「引き続き米国から円安是正を求められることへの警戒感が根強い」(大手邦銀)とされ、ドル円の上値は重い。
 ただ、週前半に米中が相互の追加関税引き下げ合意を受けて148円台後半まで買われた水準からはかなり下がった後であり、「一段の下げ余地は限られるのではないか」(同)との声も上がっている。さらに「週末を控えて実需筋の買いも入りやすい」(同)こともあり、いったんは下げ渋る可能性もありそうだ。
 ユーロも対円は下落。対ドルは横ばい圏。午前9時現在、1ユーロ=162円92~93銭(前日午後5時、163円35~37銭)、対ドルでは1.1191~1192ドル(同1.1197~1197ドル)。

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